打撲、捻挫でなぜ痛みが長引くの?
痛いとは、どう言う事? 何が痛みを生み、長引かせるの?
「ぶつけた、捻じった」、だから痛いは、分かりやすい。 危険を知らせるシステム
でも、問題なのは、打撲した、捻挫した、その後、なかなか痛みが引かない時や、
繰り返し同じ動作、同一姿勢、トレーニングし痛みが引かない時だろう。
〔 痛みの定義 〕 国際疼痛学会 1986年
「 不快な感覚性・情動性の体験であり、それには組織損傷を伴うものと、そのような損傷が
あるように表現されるものがある。 」 となっている。
「 そのような損傷があるように表現されるもの 」 がややこしい。
一回の大きな外力 ( 転倒、むち打ち、打撲、捻挫など )
繰り返しの外力 ( 生活習慣、仕事、スポーツなど )
外カ によって組織損傷を伴ったもの 〔 骨折、靭帯、筋、腱断裂 〕 は修復させるため固定や
手術の処置でよいだろうが、組織損傷があるように表現されるものは、痛みを早く取り、
動かすほうが、予後は良い。
微細な損傷も、痛みを早く取り、動ける範囲で動かしたほうが、治りは良い。
損傷も自然に修復される。
そもそも、痛みは電気信号、発電のエネルギーは外力。
神経は、痛み電気信号の通り道で、圧迫しても痛み、電気を発電しない。
神経が切れれば、痛みでなく、麻痺が生じる。
大、小 様々な損傷直後は、特異的侵害受容器の発電による早い痛み(チカッ、ズキッとか
瞬間の痛さ)、その後 筋、筋膜にある知覚神経の末端部、ポリモーダル受容器
(痛みのセンサー)で発電され、電線にあたる神経を伝わり脊髄、脳へ(ズーン、ジーンとした痛さ)
脳 は電気信号を受信して痛みとして認知し、自律神経系やホルモン系を介して反応する。
また、脊髄反射で筋肉を緊張させたりする。 それが次の痛みを生み、長引かせる。
簡単に言うと、こういう事。
変形してるから、神経を圧迫してるから、ズレてるから、靭帯、軟骨が傷ついているから
まだ痛みが続いてる、長引いてると言う説明は、矛盾だらけなのだが...そう思ってる人は多い。
動かせるものは、動ける範囲で、動かす。 長引いてるものは、原因の筋肉を治療、施術すれば
早く解決する。
でも、これを理解している医療関係者、施術者が少ないのも事実。
一般の方には基礎知識がないと理解するにはちょっと難しい。
横田敏勝 著 「臨床医のための痛みのメカニズム」
○ 自由終末と脊髄を継ぐ部分からインパルスが発生することはめったにない。
正常な脊髄神経根の圧迫は痛みを生じない。
○ 異所性興奮を生じる可能性が高いのは、脱髄部および障害された末梢神経の側芽と神経腫である。
熊澤孝朗 著 「痛みを知る」
○ 神経線維は通常、その末端にある受容器から信号を伝えるものであって、その途中が興奮を
起こしたりするようなことはありません。
○ 筋肉が痛みに大きく影響する